季節

秋は夕暮れ

投稿日:2017年9月29日

秋の夕日

『枕草子(清少納言・著)』でも描かれているように、
秋の夕暮れは何とも趣のある時間です。

商店街や住宅街など、いつもの何気ない風景でさえ絵になり、
ノスタルジックな気分に浸れます。

「秋の暮 辻の地蔵に 油さす」与謝蕪村

この句は「秋の夕暮れ時。周囲が少しずつ暗くなっていく中で、
辻のお地蔵さんの灯明に油をつぎ足していく」様子を詠んだもの。

蕪村が生きた江戸時代、灯明は暗い夜道を照らす貴重なものの1つでした。

茜色に染まった空が、だんだんと暗くなっていく。

その中で、灯明の火が消えてしまわないよう、
蕪村はいそいそと油を足していったのでしょう。

もしかすると、灯明の皿に油を足すことで、
秋の夕暮れ時に感じる寂しさや物悲しさを紛らわせていたのかもしれません。

いつもと違う街の様子を楽しんだり、遠い昔の秋の情景を懐かしんだりと、
秋の夕暮れの楽しみ方は実にさまざま。

皆様もぜひ、この時季ならではの情緒ある風景を存分に味わってください。

久郷直子

-季節

関連記事

梅の花

春よ来い

暦の上では立春が過ぎ、雨水のころとなりました。 雨水は、空から降る雪が雨へと変化して氷が溶けだす季節。 春一番が吹くのも、このころとされています。 梅一輪 いちりんほどの 暖かさ この句は、俳人・松尾 …

こたつとみかん

こたつとみかん

今日から「立冬」。朝夕の冷え込みに、こたつが恋しくなりますね。 そういえば、もうすぐ「こたつ開きの日」。 古くから亥の月(旧暦10月)の亥の日に、 こたつを使い始めるのが良いといわれており、 今年は1 …

ミニチュア

ミニチュアが気になる芸術の秋

芸術の秋。 私が今年、気になっているのが、昭和の懐かしさ漂う「タバコ屋」「駄菓子屋」「新聞屋」などのミニチュアドールハウスと、ちゃぶ台に脚付きテレビがある居間で家族が集う昭和のごく一般的な家庭を再現し …

傘

降らずとも雨の用意

各地の梅雨入りニュースが届く頃となりました。 お茶の達人と言われた千利休が唱えた「利休七則」の一つに、 「降らずとも雨の用意」という心得があります。 降っていなくても雨の用意をしよう…つまり不慮の事態 …

冬物の服

衣料の冬支度

秋の衣替えといえば9月ですが、 最近はまだまだ暑いので夏服で過ごしました。 朝晩は涼しくなったので冬物衣類の支度をしようと思うと、 台風の影響で雨の日が続いたりして、とうとう10月に。 11月ごろまで …