長らく夏の暑さを引きずっていましたが、ここにきて、ようやく気候も秋めいてきました。
秋は読書に最適な季節。
私が読む本は、小説が多いですね。
小説の面白いところは、ストーリーがわかってしまっても、何度も読み返したくなること。
今回は、私のオススメの本をご紹介します。
1冊目は、アメリカの小説家であるアーネスト・ヘミングウェイの「老人と海」。
老人がたった1人で海へ出て、巨大なカジキやサメとの戦いを通じ、
人間の尊厳と自然の壮大さを描いた作品です。
小難しい理屈は抜きにして、心から湧き上がってくる熱い男のロマンを感じます。
「日はまた昇る」「武器よさらば」など、有名な彼の著作は数多くありますが、
その中でも「老人と海」は一番読みやすく、わかりやすいお話だと思います。
2冊目は、フランスの小説家アルベルト・カミュの「異邦人」。
理由もなく殺人を犯し、平然と死刑宣告を受ける主人公・ムルソーの姿を通して、
生きることの不条理さを描いた作品。
不条理に不条理を重ね、そこから見えてくる本当の不条理をあぶりだします。
物語自体は難解でもなく、最後まですんなり読み終えることが出来るのですが、
読後にいくつもの「?」が浮かびます。
そして何度も読み返すうちに、物語の本質を理解する…そんな作品だと思います。
私自身も5回ほど読み返した頃に、ようやく物語の本質を理解できたような気がしました。
これこそが、この作品が持つ最大の魅力だと思います。
10月27日~11月9日は読書週間。
この秋にぴったりの1冊を見つけて、心ゆくまで読書を楽しみたいものです。
久郷直子