梅雨になると、カビが繁殖しやすくなります。
カビは食品を腐敗させるだけでなく、最近では、
アスペルギルス症や夏型過敏性肺炎など、カビによる病気が増えているといわれています。
浴室や流し台に繁殖するカビ…想像するだけでも嫌な気分になります。
そんな嫌われ者のカビですが、実は世界初の抗生物質である「ペニシリン」は
アオカビから発見されました。
ペニシリンを見つけたのは、イギリスのアレクサンダー・フレミング。
彼のペニシリンの発見により、破傷風や肺炎といった伝染病の治療が可能になりました。
さらに、ハワード・フローリーとエルンスト・ボリス・チェーンの
研究によってペニシリンの大量生産に成功。
この功績が称えられ、3人は1945年にノーベル医学・生理学賞を受賞しました。
フレミングは、こんな言葉を残しています。
「私は、人体が自然に備えている抵抗力の大切なことを、決して忘れることはできません」
この言葉はきっと、ご自身の研究の日々から滲み出た言葉なのでしょう。
梅雨時は天気が不安定で、気持ちも揺らぎがちです。
「病は気から」ともいいます。
曇天に負けず気持ちを明るく保ち、おっくうな梅雨時をハツラツと過ごしたいものです。
お健やかにお過ごしください。
久郷直子