季節

夏越の祓に、水無月をいただく

投稿日:2018年6月29日

水無月

6月30日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」です。

夏越の祓には、神社の本殿前に備え付けた茅の輪をくぐったり人形(ひとがた)を
神社に奉納したりして半年間の厄を祓い、残り半年間の無病息災を祈ります。

京都では、夏越の祓の日に「水無月」をいただきます。

水無月は三角形のういろうの上に小豆が乗った和菓子で、
小豆は魔除けの意味を持ち、ういろうは削りたての氷を模しています。

水無月の歴史は平安時代ごろまで遡ります。

当時、宮中では6月1日になると、氷室でたくわえていた氷を食べて
暑気払いをする「氷の節句」という行事が執り行われていました。

しかし、庶民にとって夏場の氷は高嶺の花。

氷に憧れを持った庶民の知恵によって生まれたのが「水無月」なのです。

この時期になると、京都の和菓子屋各店では様々な水無月が売られます。

店舗ごとに味も見た目も異なるので、食べ比べをしてみるのも一興です。

明日は、残り半年の健康を祈りながら、
目にも舌にも涼やかな水無月を楽しみたいと思います。

日に日に、気温や湿度が高くなっています。

体調には十分のお気をつけて、お健やかにお過ごしください。

久郷直子

-季節

関連記事

クラフトテープのかご

クラフトテープで芸術の秋を楽しむ

「灯火親しむべし」 古代中国の文学者、韓愈(かんゆ)が詠んだ詩の一説です。 秋の夜長は明かりをつけて読書をするのに適しているという意味ですが、 秋は読書だけではなく、様々なことを楽しむのに適したシーズ …

洋服

感謝の気持ちを込めて、夏仕舞い。

昼間は、まだまだ暑いですが、徐々に秋の気配が感じられるようになってきましたね。 そろそろ夏仕舞いをして、本格的に秋を迎える準備をはじめようと思います。 まずは、夏物衣類のお片付け。 季節外れになった大 …

旅行用品

紅葉シーズンに向けての「旅支度」

まもなく訪れる紅葉の季節に向けて、 旅行の計画をしている人も多いのではないでしょうか。 旅行そのものも楽しみですが、服装や持ち物などあれこれ考えながら 旅行の準備をするのも楽しいものです。 旅の準備を …

彼岸花

秋のお彼岸

今年の彼岸入りは9月19日。 中日は22日で、この日が秋分です。     春分と秋分は、太陽が真東から昇って真西に沈むため、 昼と夜の長さがほぼ同じになります。 お彼岸の時期にお墓 …

たけのこ

たけのこに思いを馳せて

種類によって、旬の時期が異なるたけのこ。 私たちがよく食べる「孟宗竹(モウソウチク)」という種類のたけのこは、 3~5月に旬を迎えるため、そろそろ食べ納めの時期になります。 たけのこには、芳しい野の香 …