季節

先祖とつながるお盆の「食」

投稿日:2018年8月10日

おはぎ

皆さんは、お盆に必ず食べる物はありますか?

「正月のおせち料理」「土用の丑の日の鰻」など、季節の行事やお祝いの日に食べる特別な料理を行事食といいますが、実はお盆にも行事食があります。

 

まずは、お盆入りの13日。

先祖の精霊を迎えるこの日は、浄土から帰って来られたご先祖様に長旅の疲れを癒してもらう意味を込めて「お迎え団子」を用意します。

地域によって作法は異なりますが、お迎え団子はタレと絡めたものやあんこを乗せたものが一般的です。

 

明くる14日。

この日は、おはぎを用意して仏前などに供えます。

おはぎの小豆の赤い色が邪気を祓ってくれるとされる他、餅には穀物の豊作を願う想いが込められているといわれています。

 

翌日の15日。

この日は「幸せが細く長く続きますように」という願いも込めて、素麺をいただきます。

 

そして、お盆明けの16日。

この日に準備するのは、送り団子と呼ばれるシンプルな白玉団子。

浄土へ持って帰っていただくお土産として用意します。

 

お盆は、家族や友人など懐かしい顔ぶれが集まり、故人を偲ぶ大切な日。

皆でお盆の行事食を楽しみながら穏やかな時間を過ごすことが、何よりの供養になるのではないでしょうか。

 

一時に比べて気温は下がってきましたが、まだまだ猛暑が続いています。

体調管理には十分に気をつけ、充実したお盆休みにしましょう。

 

今週もお健やかにお過ごしください。

久郷直子

-季節

関連記事

茅の輪

夏越の祓(なごしのはらえ)

「夏越の祓」は6月末に行われる神事で、 参拝者が『水無月の夏越の祓する人は、千歳の命延ぶというなり』 と唱えながら鳥居の下や境内にある茅の輪をくぐり、 半年分の厄を落として残り半年の健康を祈願します。 …

小豆って意外と…

今日は彼岸入り。 お彼岸といえば、おはぎですね。 今年は小豆をたっぷり使っておはぎを手作りしようと思っています。 最近手に入れた、もち米をおいしく炊ける炊飯器も大活躍してくれそう。   おは …

野菜

続かなくても食べてみたい野菜たち

最近、珍しい野菜を見かけますね。 以前、プッチーナという佐賀県産の野菜を買いました。 肉厚で、サボテンのような 多肉多汁組織を持っています。 原産は南アフリカ。 なんと、地中のミネラルを吸い上げる力が …

暑中見舞

暑中見舞い・残暑見舞い

先日、ダイレクトメールなどの郵送物を整理していた時に、 2週間以上前に届いた暑中見舞いのハガキを見つけて慌てました。 送ってくださった方には急いで返信したのですが、 暑中見舞いの時期が過ぎていたので、 …

うぐいす

早春の兆し、鶯(うぐいす)のさえずり

―春は名のみの風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと声も立てず これは、日本の唱歌「早春賦(そうしゅんふ)」の歌詞の一部で、 この曲の作詞を担当したのが 東京音楽学校の教授だった吉丸一昌氏。 彼 …