外国人観光客が増えた昨今、
日本のレストランにも変化が起こり、
ベジタリアン対応の店や
ハラール対応の店が増えてきました。
私としては、料理が美味しく、
良い雰囲気のレストランで空腹を満たせたら
最高と思っていましたが、
海外から旅行に来る人の中には、
空腹を満たす他に、身体に良く、
精神も浄化されてこそ
「食」だというこだわりを貫く人が多いのでしょう。
欧米では、健康の維持・増進のため、
または環境・エコロジーへの配慮のため、
あるいは宗教上の信念から、
ベジタリアン・ビーガン・マクロビオティック・
ハラールを志向とする人がいます。
そんな外国人観光客の
「食」へのポリシーを叶えてくれるレストランが、
観光地の京都にも増えてきました。
ベジタリアンは、お肉を食べない人たちのこと。
ですが、乳製品や卵、魚などは
食べているという方が多いです。
ビーガンは、ベジタリアンの中でも
かなりストイックな人たちで、
上記のものは全て不可。
かつお出汁も不可なのです。
京都の料亭のなかには、
ビーガンはお断りのところもありますが、
予約の時に申し出れば、かつお出汁の代わりに
昆布出汁を使ってくれるところもあります。
また、ビーガンは
これらの動物性食品は一切摂らないばかりか、
動物を殺して作ったウールや
シルクなどの製品も一切身につけません。
マクロビオティックは、東洋医学の陰陽が元になった食事法で、
一物全体という考え方に基づき、
野菜や果物、穀物など皮ごと全部調理します。
そのため農薬、添加物の使われた食品は
極力避けます。
陰陽のバランスを重視するので、
陰性の強い嗜好品(白砂糖、コーヒー、アルコールなど)は控えます。
コーヒーはノンカフェインのタンポポコーヒーや、
穀物コーヒーなどで代用します。
白砂糖は全く使用せず、その他米飴、
玄米甘酒、メープルシロップ、てんさい糖などの
より陰性の弱い甘味料を使用します。
ハラール(アラビア語: حلال Halāl)とは、イスラム法で
食べることが許されている食材や料理を指します。
京都には、このハラール認証を
取得したレストランもあります。
文化の違いを受け入れ、
限られた素材で最高の味を目指す料亭やレストランが、
今後どのように生き残っていくのか…。
少し気にかかるこのごろです。
久郷直子