種類によって、旬の時期が異なるたけのこ。
私たちがよく食べる「孟宗竹(モウソウチク)」という種類のたけのこは、
3~5月に旬を迎えるため、そろそろ食べ納めの時期になります。
たけのこには、芳しい野の香りとシャキシャキした歯ごたえがあります。
特に新鮮なたけのこが持つトウモロコシに似た独特な香りと甘味は、何とも言えません。
とれたてなら、刺身にして食べたいですね。
また、若筍煮やたけのこご飯にしても美味しくいただけます。
そんな、春の味覚・たけのこですが、実はなかなか希少な存在。
というのも、たけのこは1本の竹から約300本ほど産まれるそうなのですが、
その8割は陽の目を見ることなく、土の中で朽ちていくそうです。
竹は、夏の終わりとともに次の命を育み始めます。
しかし、気温が15度くらいにならないと地表に顔を出さないため、
多くのたけのこが私たちの知らない内に、
竹林の土中で生まれては朽ちていっているのです。
たけのこは、あの優しい味わいからは想像できないほど、
力強いパワーを秘めた存在なのですね。
地中で消えていったたけのこに思いを馳せつつ、
今年最後のたけのこを美味しくいただこうと思います。
まだまだ昼夜の寒暖差が気になるこのごろ。
今週も、元気にお過ごしくださいませ。
久郷直子