ふぐの名産地である下関では、ふぐのことを「フク」と呼ぶそうです。
それにちなみ、2月9日はフクの日(ふぐの日)と制定されました。
ふぐは、身体に嬉しい冬の味覚。
高たんぱく低カロリーな上に、疲労回復などの効果を持つ「タウリン」、
抗酸化作用を持つ「セレン」など、様々な栄養を豊富に含みます。
また関西では、ふぐのお造りを「てっさ」、ふぐ鍋を「てっちり」と呼びます。
これらの言葉に含まれる「てっ」は「鉄砲」を意味しており、
ふぐが持つ強い毒を鉄砲に見立てているそうです。
それほどまでに、昔はふぐの毒にあたって亡くなる人が多かったのでしょうね。
実際に豊臣秀吉も、ふぐの毒で亡くなる人を減らすために「ふぐ食禁止令」を発令したのだとか。
この禁止令は、近代にいたるまで続いたというのですから驚きです。
そんな「ふぐ食禁止令」を解除したのが、初代内閣総理大臣の伊藤博文でした。
彼は下関を訪れた際、内密にふぐを食べて美味しさに感動し、
山口県だけ「ふぐ食禁止令」を解除したそうです。
ふぐといえば下関と言われるゆえんは、こういった経緯があったからなのでしょうね。
立春とは名ばかりで、まだまだ厳しい寒さが続きそうです。
今週もお健やかにお過ごしくださいませ。
久郷直子