水仙が持つ、甘さの中にも葉のグリーンを
思わせる爽やかな良い香りが漂ってくるようになりました。
花壇は相変わらず寂しい状態が続いていますが、
一足早く水仙が土から顔を覗かせ、
少しずつ花壇の隙間を埋めてくれています。
水仙の歴史は長く、
約300年もの昔からイギリスやオランダを中心としたヨーロッパで、
品種改良がなされてきました。
水仙が日本に伝来したのは、平安時代末期ごろ。
シルクロードを経て、中国から伝わってきたといわれています。
水仙といえば、
私は1960年代のフォークソング「七つの水仙」を思い出します。
七つの水仙は、アメリカのフォークソンググループ
「ブラザーズ・フォー(THE BROTHERS FOUR)」の曲。
『僕にはお金も土地もないけれど、七つの水仙を君にあげよう。』
そんな、貧しいながらも純愛を貫く青年の想いを表現したこの曲は、
今もなお世界中の人々に愛され続けています。
水仙の甘く爽やかな香りで、
懐かしいこの曲とともに、
甘酸っぱい青春時代の思い出が甦りました。
春になると、土の中から様々な花たちが顔を出します。
花の香りを楽しみながら、
過去に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
久郷直子