秋のお彼岸は、秋分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間のこと。
今年の秋分の日は、9月23日です。
昔から、秋のお彼岸には「おはぎ」がお供えとされてきました。
ちなみに春のお彼岸には「ぼたもち」を供えますが、
季節によってお供え物が違う理由とは何なのでしょうか?
理由は、あんこに使用する小豆の収穫時期にあります。
小豆は4~6月頃に種まきをして、9月~11月頃に収穫します。
秋のお彼岸の時期は、収穫したての小豆を使うことができます。
収穫したての小豆は皮が柔らかいため、
粒あんを使用した「おはぎ」をお供えしました。
一方、春のお彼岸の時期になると、保存していた小豆の皮が硬くなってしまいます。
そのため、皮を取り除いたこしあんを使った「おはぎ」を供えたそうです。
「ぼたもち」「おはぎ」に使用するもち米や小豆には、それぞれ意味があります。
もち米には五穀豊穣、小豆には邪気祓いの願いが込められています。
お彼岸は、「ぼたもち」「おはぎ」をお供えすることでご先祖様に感謝の想いを伝え、
現世を生きる家族や友人などの安寧を祈る日本独自の文化。
時代が変わっても、ご先祖様を偲び感謝する気持ちを大切にしたいものです。
久郷直子