自分の暮らしの中での年中行事では、12月を整理整頓の月としています。
不要なものを捨てることから始めて、
翌月、新年に新しさや清々しさを楽しむために、
家の中をすっきり、さっぱりさせることを一番に考えます。
数ある終活の中でも、特に大切なのが「老前整理」といわれています。
まだ気力や体力がある間に、
長年溜め込んだものの中から本当に必要なものだけを選び、
これからの人生は、よく使うものだけに囲まれて
生活できるようにするのが大切という考え方です。
ものを捨てることは、決断に時間がかかることがあります。
たとえば、思い入れがある服や、
「普段着に使おう」と思って捨てられない服があるとします。
服は、健康面では寒さや暑さから身体を守るためのものですが、
印象面では自分を包むパッケージとも言えますね。
昭和に買った服がまだあるとすると、今は令和です。
昭和時代に明治時代の服を着ていることと同じと考えると、
その服を着ることで昔の時間を生きていると言えるかもしれません。
ものを長く大切に使うことは良いことかもしれませんが、
「過去に囚われてしまっていないか?」と自問自答し、
私はその答えが「イエス」なら捨てる、「いや、これは記念品だからノーだ」
と思うなら保管するようにしています。
「老前整理」は、単に「不要になったものを処分する」ことではなく、
自分自身が所有しているものを整理し、向き合うことで、
これからの人生をどう生きたいかを考え直す、
未来志向の前向きな片付け法だと思います。
これからの人生をより有意義に、快適に過ごすために、
少しずつできることから始めてみてはいかがでしょうか。
お元気でお過ごしください。
久郷直子