暦の上では立春が過ぎ、雨水のころとなりました。
雨水は、空から降る雪が雨へと変化して氷が溶けだす季節。
春一番が吹くのも、このころとされています。
梅一輪 いちりんほどの 暖かさ
この句は、俳人・松尾芭蕉の弟子である「服部 嵐雪(はっとり らんせつ)」が詠んだもの。
まだ寒い冬が続いているが、
一輪だけ咲く梅の花から春の息吹を感じて暖かい気持ちになる…そんな句です。
実は、この句にはもう1つの解釈があります。
「梅、一輪いちりんほど…」と読むと、
『梅の花が一輪ずつ咲くにつれて、次第に暖かさが増していく』とも読み取れるのです。
どちらにせよ、今か今かと春を待ちわびるこの時期にぴったりの句です。
梅を見るなら、京都の北野天満宮がおすすめ。
2月初旬から3月下旬にかけて公開される「梅苑」には、
約1,500本もの梅の木が植えられており大変見ものです。
また北野天満宮では、毎年2月25日に「梅花祭」と「梅花祭野点大茶湯」が行われます。
美しい梅の花からパワーをもらい、もう少し続く寒さを乗り切りましょう。
今週もお健やかにお過ごしください。
久郷直子