水参・白参・紅参
製品として売られている高麗人参は、一般的に「水参・白参・紅参」にわけられます。このサイトでも「高級素材 紅参」などと紹介していますが、では、この「紅参」は普通の高麗人参とは違う種類なのでしょうか?「水参」も「白参」も「紅参」も、元は同じ高麗人参で、製法、加工法によって呼び名が変わります。畑から掘り出された、そのままの高麗人参、つまり生の人参が「水参」。「白参」は、高麗人参の皮を剥いてから、天日で乾燥させて作られます。
では「紅参」は?皮を付けたまま蒸した後、天日でゆっくりと乾燥させて作られます。野菜や果物も「皮の近くにこそ豊富な栄養がある」ということが知られていますが、紅参も、同じ理由で皮をつけたまま加工されるのですね。実際、「紅参」は「白参」に比べ、サポニンなどの健康成分の含有量が多く、また水分量が少ないために保存性もずっと高くなっています。高麗人参製品の高級品と言われるのには、ちゃんとした理由があるのですね。
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高麗人参酒
高麗人参酒と聞くと、とても特別なものに思えるかもしれませんが、実は案外簡単に作れます。梅酒や果実酒に使う広口のビンに生の高麗人参を入れ、アルコール度数が高めの焼酎ホワイトリカーを注ぐ・・・言ってしまえば、生の高麗人参を焼酎に漬けるだけ。あとは1カ月ほど待てば、高麗人参酒の出来上がりです。果実酒は、氷砂糖を一緒につけ込むことが多いですが、高麗人参は少し甘みが出ますので、あえて甘みは付けず、そのままじっくりと成分を抽出し、飲む際に蜂蜜やシロップで味を調整する方がいいでしょう。ちなみに、生ではなく乾燥した高麗人参で作るなら、出来上がりまで半年くらいかかります。
さて、こうやって作った高麗人参酒。最初は荒い感じがありますが、三年以上寝かせると、アルコール臭さは影を潜め、とろりとした甘みの口当たりのよい人参酒になります。いわば、高麗人参酒のビンテージですね。飲み方は、そのままでも結構ですが、レモンスライスを入れたり、ハチミツで甘みを足したり、炭酸水で割ったりと、工夫すればさらにおいしく楽しめます。簡単に作れて、体にも良い我が家だけの高麗人参酒。一度お試しになられてはいかがでしょう。
人参と高麗人参
高麗人参というからには、人参の仲間。そう思われている方も多いのではないでしょうか?高麗人参はウコギ科の多年草で、赤いニンジンはセリ科の植物。つまり、高麗人参とニンジンは、全く別の種類なのですね。ところで、皆さんは「にんじん」と聞いて頭に浮かぶのは、どちらの姿ですか?高麗人参?それとも赤いニンジン?
「何を言ってるの。にんじんと言えば、赤いほうに決まってるじゃない。」ところが、日本では元々「にんじん」というと、高麗人参をさしていました。日本に高麗人参が伝わったのは、739年。新羅孝王の時代に人参30斤(18キログラム)が東大寺に送られたと記録に残っています。以後、江戸時代中期には高麗人参は「オタネニンジン」として一般庶民にも用いられるようになりました。一方、セリ科の赤いニンジンが日本に伝わったのは、高麗人参から遅れること約800年の16世紀頃。それから明治時代に入るまでは、高麗人参のほうがポピュラーだったそうです。意外な話ですね。
厳しい環境に耐えて育つ高麗人参
大地の養分を余すところ無く吸収して育つ高麗人参。「さぞや、豊かな土地で栽培されるのだろう。」と思いますが、実はそうではありません。高麗人参の栽培に適した環境は、まず、砂質の土壌であること。そして、北東向きのゆるやかな傾斜地であること。つまりは、陽当たりが悪く、栄養分も少ないやせた土地ということになります。
さらには、昼夜間の気温の差が大きく、雨の少ない所・・・と、なんだか、とても過酷な環境ですね。そんな場所で、肥料も与えられず育てられる高麗人参は、野菜のようなほかの植物と違って、すくすくと大きくなることはありません。4年から6年をかけて、ほんの少しずつ育っていくのです。しかも、驚くことに、高麗人参を採取した後の土地は、養分をすべて吸い取られているので、次に作物を植えるのに10年も休ませなければなりません。栽培する場所も限られ、手間がかかる割に、大きくもならず。高麗人参が貴重と言われるのも、納得できますね。
韓国美人の定番!
日本では高価な食材としておなじみの高麗人参ですが、韓国の家庭ではもっと身近な存在です。家には高麗人参のエキスが買い置きされていたり、街角の高麗人参ショップではその場でドリンクを飲んで栄養補給する人も多く見かけます。天ぷらや炒め物などの料理をはじめ、お酒に浸したり、煎じて飲んだり、菓子などにも使われるなど、老若男女の間で親しまれているのです。
また、美容大国として知られる韓国では、健康のためだけでなく、美容のためにも高麗人参が大活躍。韓国女性の間では、高麗人参を使った化粧品は昔から根強い人気で、海外の美容業界からも注目を集めています。それに倣って、近年では日本でも高麗人参が美容品に配合されるケースが増え始めています。
高麗人参の大ブーム
高麗人参は、古くから日本にも伝わっていましたが、一般的に広く知られるようになったのは江戸時代の四代将軍・徳川家綱の治世の頃といわれています。輸入された和漢植物として当時から貴重だったのは当然ながら、それでも高麗人参の需要は急速に高まり、供給の不足からさまざまな社会問題にまで発展した経緯については諸説あります。それにしても、当時の川柳書にも高麗人参の希少性を謳った作品が残されているほどですから、よほどの人気だったのでしょう。
人参に 惜しまぬ金の あわれなり(『武玉川』 一五篇)
人参に 親の秤の 欲がはね(『誹風柳多留』 初篇)
高麗人参が由来!?
韓国の正式な英語表記は「Republic of Korea」。実は、このKoreaという国名は高麗人参が由来という説があります。
そもそも「高麗」とは、918年から1392年に朝鮮半島に存在した統一王朝のこと。高麗人参は、この高麗時代から栽培が始まり世界へと広まったため、高麗人参と呼ばれるようになったともいわれています。しかし、かの秦の始皇帝が探し求めたという言い伝えや、2000年前の中国の文献でも紹介されているなど、高麗人参は高麗の建国以前から人々の間では使用されていて、その存在はすでに広く認知されていたと考えられているのです。
参鶏湯(サムゲタン)
高麗人参を使った料理の中でも、最も有名なものの1つとして「参鶏湯(サムゲタン)」があります。やわらかなヒナ鶏を高麗人参やもち米、松の実などでじっくりと煮込んだスタミナ料理で、体調が気になる季節に特に人気の一品。日本の食材で例えるなら、土用の丑の日などに食べる「鰻」でしょう。
しかし、参鶏湯は健康のためだけでなく、実は美容のために好む人が多いことはあまり知られていないかも。参鶏湯には、鶏のコラーゲンや高麗人参に含まれる豊富な栄養が凝縮されていて、女性にも大人気。日本の有名女優やモデルが、好んで参鶏湯を食べているという話も大いに納得できます。
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